大館曲げわっぱの歴史について

曲げわっぱの歴史は古く1300年前から続く伝統品です。
平安時代の遺跡からほぼ原型をとどめたままの曲げわっぱとされるものが発掘されているのが驚きです。
一説によると木こりが杉の柾目を使って作ったとされております。
このときから天然秋田杉の性質を活用し、理にかなった生活用品の必須アイテムだったのではないでしょうか。

秋田杉板材

産業として発展

豊臣方であった佐竹義宣が関ヶ原の戦いで破れ秋田へ移転させられた時、大館城下は領民の貧困問題の打開策として佐竹西家が豊富な領内の秋田杉を利用し下級武士の副業や、内職として制作を推奨しました。
出来上がった製品は関東や、新潟などに流通していったのが大館曲げわっぱの産業としての発展につながりました。

桜の皮

曲げわっぱの魅力

東北の厳しい寒い環境下の中育った天然杉は柾目(木目)が美しく弾力があります。
節目のない真っ直ぐな部分だけを使い丁寧な加工工程を経て作り出されます。
秋田の樺細工も有名ですが、この桜の木の皮も曲げわっぱには使われています。
つなぎ目の部分に昔はご飯粒のり等を接着剤として使用していましたがこれだけでは弱く、補強として強くしなやかな山桜の皮を用いていました。
今では接着剤も進化し、飾りの役割をしています。
デザインに凝った樺閉じはより一層素敵な製品になります。

昔から受け告がれる技を未来に伝えていけるよう、魅力発信をし現代の生活様式にもあった“今を生きる”伝統工芸の継承をしていきたいですね。