塗装のかかっていないお弁当箱は、調湿効果があり食材が傷みにくく、ご飯を美味しくしてくれます。

反面、本来生きている素材ですので、真っ直ぐの板を熱の力を利用し加工しています。
戻ろうとする力が働くのも事実。
故、塗装を施してその時を止め、比較的お手入れしやすい様な製品がほとんどです。

物事には善し悪しがあるように、すべての曲げわっぱ製品にも善し悪しがあります。

わたくしどもの製品は塗装をせず、無塗装の樹齢150年以上の天然杉にこだわって制作しております。

約20年間、制作と、使用しながらそばで感じてきた善し悪しをお伝えしなければならないと思います。
白木の製品は変化しやすいですが、何よりご飯が美味しくなる事に代えがたいです。
昔の道具が今の時代にまで根付いてきた伝統工芸品の良さを実感して頂きたいのです。

正直にお話をすると、デメリットが多い白木製品。
本来であれば、油や、着色料食品、魚の匂い、卵の白身のアルカリ成分、鉄分が多い食品は、木の色を変色など、引き起こしてしまいます。
そこでこのデメリットをなんとか回避するための方法を模索し、わたしの経験からお勧めする方法をお伝え出来ればと思っております。

あくまでも私の経験から来る方法です。
曲げわっぱの製品は沢山ありますので、各社のお手入れ方法をご確認下さい。

曲げわっぱのお弁当・お櫃 専用取扱説明書

お使いになる前に毎回水か、ぬるま湯で濡らして下さい。(温度が高すぎると変形しやすいです)

ご使用後は、触れる程度の熱めのお湯に5分くらいつけて頂きますとご飯粒や油染みが浮いてきます。 粗めのスポンジ等に洗剤をつけ(中性洗剤でも可)ゴシゴシ洗って頂くと汚れが取れてきます。
触ってヌメリがないかを確認出来たらしっかり熱めのお湯で濯ぎます。

アルカリ成分で変色した(灰色)場合は薄めた酢水にしばらくつけておくと薄れます。

最後に確認したときに油染みなどが気になるようであれば熱湯をかけて下さい。(最初から熱湯をかけますと変形しやすいです)
そうすることで気になる匂いや、気持ちもさっぱりすると思います。

後は24時間以上の乾燥をお願いしております。
見た目は乾いて見えても中までは乾燥し切れていない場合があります。

木も呼吸をしていますので最低でも丸一日しっかり乾かしてあげて下さい。
しまうときも蓋はせず開け放ってお仕舞い下さい。

どうしても使用していれば新品の様な状態ではいられません。
生の生きている木ですので変形もしますし、歪みを避けることは出来ません。
こうしたことから私どもの所はアフターケアもいたしております。

お客様との時間をともに歩みながら末永いお付き合いが出来ればと思っております。
使用する事で経年変化を楽しみ、白木製品とともに歩んで下さると幸いです。